電子機器組立て技能士とは?学科試験の問題と対策
電子機器組立て技能士は、電子部品のはんだ付けや配線、電子機器の組立ての技能を国が認定する国家資格です。どんな資格か、学科試験の問題の形式や合格率、勉強法をまとめました。3級・2級・1級のオリジナル問題も無料で解けます。
級を選んで問題を解く
一問一答ドリルと、本番と同じ形式の実践テストで、学科試験の問題を無料で解けます。
電子機器組立て技能士とは?どんな資格?
電子機器組立て技能士は、技能検定(国家検定)の「電子機器組立て職種」に合格した人が名乗れる資格です。通信機器・計測器・コンピュータなど、電子回路を内蔵した機器の組立てに必要な技能が対象で、プリント配線板への部品の取付けやはんだ付け、配線・束線、組立て後の検査などが問われます。
等級は特級・1級・2級・3級があり、3級は工業高校などの在学中に受検する人も多い級です。令和6年度の受検申請者は9,973人でした(厚生労働省「技能検定の実施状況」)。
取るとどんなメリットがある?
- はんだ付けや組立ての技能を、国家資格として客観的に示せる(履歴書に書ける)
- 電子部品・電機メーカーなど、ものづくりの現場への就職・転職でアピールになる
- 部品・回路・製図・品質管理・安全まで、組立ての仕事に必要な知識を体系的に学べる
組立ての仕事をするのに必須の資格(業務独占資格)ではありません。
学科試験の形式と合格基準
| 等級 | 出題形式 | 問題数 |
|---|---|---|
| 1級・2級 | 真偽法(○×)+多肢択一法 | 25問+25問=50問 |
| 3級 | 真偽法(○×) | 30問 |
- 合格基準:100点満点で、原則として学科試験は65点以上、実技試験は60点以上
- 学科試験の受検手数料:3,100円が目安(都道府県によって異なる場合があります)
- 実施時期:都道府県職業能力開発協会が実施します。時期は年度・等級・都道府県によって異なるため、受検案内で確認してください
過去の合格率
およそ52〜53%(令和4年度 52.0%、令和6年度 53.3%)
全級(1〜3級)を合わせた数値で、学科と実技の両方に合格した人の割合です(合格者数÷受検申請者数)。級別の数値は公表されていません。出典:厚生労働省「技能検定の実施状況」
受検資格や日程は等級・年度・都道府県によって変わります。受検する都道府県の職業能力開発協会で必ず確認してください。
電子機器組立て技能士の学科試験の問題例
当サイトのオリジナル問題から、級ごとに1問ずつ紹介します。実際の試験も、このような○×問題と4択問題で出題されます。
はんだ付けでは、こて先で部品のリードとランドの両方を温めてから、はんだを供給する。
正解と解説を見る
正解:○(正しい)
正解。母材を十分に温めることで、はんだがよくなじみます。
「474」と表示されたコンデンサの静電容量はどれか。
- 47pF
- 0.47μF
- 0.047μF
- 4.7μF
正解と解説を見る
正解:ロ 0.47μF
47×10⁴pF=470,000pF=0.47μFです。
上限規格10.6mm、下限規格9.4mm、標準偏差0.1mmの工程の工程能力指数Cpはどれか。
- 1.33
- 1.0
- 0.67
- 2.0
正解と解説を見る
正解:ニ 2.0
Cp=(10.6-9.4)÷(6×0.1)=1.2÷0.6=2.0です。
出題範囲(試験科目)
厚生労働省の試験基準では、学科試験は次の科目から出題されます。
| 科目 | 主な内容 |
|---|---|
| 電子機器 | 電子部品(トランジスタ、IC、抵抗器、コンデンサ、プリント配線板、電線、センサなど)の種類・性質・用途、電子機器の種類と用途 |
| 電子及び電気 | 電子の作用、電気・磁気の作用、電子回路(増幅・発振・論理回路など)、直流・交流回路 |
| 組立て法 | 組立ての方法(配線・接続・束線・プリント配線板の組立て・静電気対策)、自動機、器工具、手仕上げ、電子機器の計測、工作測定、品質管理 |
| 材料 | 半導体材料、導電材料、抵抗材料、磁気材料、絶縁材料 |
| 製図 | 製図の決まり、図面の読み方、電子機器の図記号、シーケンス制御の展開接続図(1・2級) |
| 安全衛生 | 電子機器組立て作業の安全衛生、労働安全衛生法関係法令 |
試験基準では、同じ項目でも級によって求められる知識の程度が違います(例:組立ての方法は3級が「一般的な知識」、1級・2級は「詳細な知識」。安全衛生は全級で「詳細な知識」)。当サイトの問題も、この程度に合わせて級ごとに分けています。ドリルでは「組立て法」のうち、計測・工作測定を「計測・測定」、品質管理を「品質管理」として分けて表示しています。
勉強のすすめ方
- 組立て法と器工具を最優先に:はんだ付けの方法と不良の種類、工具の使い方は、どの級でも出題の中心です。
- 部品の読み方は暗記で確実に:抵抗器のカラーコード、コンデンサの容量表示(104=0.1μFなど)、部品の極性は落とせない問題です。
- 計算はオームの法則から:電圧・電流・抵抗・電力、合成抵抗、2進数・16進数の変換で多くの計算問題に対応できます。
- 製図は線の種類と図記号を覚える:第三角法、線の使い分け、寸法記号、電気用図記号がよく問われます。
- 仕上げに公式の過去問を解く:技能検定試験問題公開サイトで、直近3年分の試験問題を閲覧できます。
よくある質問
独学で合格できる?
学科試験は、部品の読み方・はんだ付け・製図・安全衛生などを問題演習で固めれば、独学でも対策できます。実技試験は、はんだ付けや組立ての練習を重ねることが欠かせません。
合格率はどれくらい?
厚生労働省の公表データでは、全級合計で令和4年度が約52%、令和6年度が約53%です(合格者数÷受検申請者数)。級別の合格率は公表されていません。
受検資格はある?
1級・2級は、原則として一定年数の実務経験が必要です(学校で学んだ期間や、下の級の合格で短くなります)。3級は、実務経験の年数を問わない場合が多いです。条件は細かく決められているので、受検する都道府県の職業能力開発協会の受検案内で確認してください。
過去問はどこで見られる?
中央職業能力開発協会の技能検定試験問題公開サイトで、直近3年分の試験問題を閲覧できます(閲覧のみで、印刷・複製はできません)。当サイトの問題は過去問の転載ではなく、試験基準に沿ったオリジナル問題です。
合格すると名乗れる名前は?
合格した等級をつけて「1級電子機器組立て技能士」のように名乗れます。技能士は合格者だけが名乗れる名称(名称独占)で、等級を省略して名乗ることはできません。