機械検査技能士とは?学科試験の問題と対策
機械検査技能士は、ノギスやマイクロメータなどの測定器を使って、機械部品の寸法や形状を検査する技能を国が認定する国家資格です。どんな資格か、学科試験の問題の形式や合格率、勉強法をまとめました。3級・2級・1級のオリジナル問題も無料で解けます。
級を選んで問題を解く
一問一答ドリルと、本番と同じ形式の実践テストで、学科試験の問題を無料で解けます。
機械検査技能士とは?どんな資格?
機械検査技能士は、技能検定(国家検定)の「機械検査職種(機械検査作業)」に合格した人が名乗れる資格です。ノギス・マイクロメータ・ダイヤルゲージなどの測定器を正しく使い、図面どおりに部品ができているかを検査する技能が問われます。製造業の品質保証・検査部門で役立つ資格です。
等級は特級・1級・2級・3級があり、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。令和6年度の受検申請者は15,609人で、技能検定の中でも受検者の多い職種です(厚生労働省「技能検定の実施状況」)。
取るとどんなメリットがある?
- 測定・検査の知識と技能を、国家資格として客観的に示せる(履歴書に書ける)
- メーカーの品質保証・検査部門への就職・転職、社内での昇格の目安になることがある
- 測定器・公差・品質管理・材料など、ものづくりの基礎を体系的に学べる
検査の仕事をするのに必須の資格(業務独占資格)ではありません。
学科試験の形式と合格基準
| 等級 | 出題形式 | 問題数 |
|---|---|---|
| 1級・2級 | 真偽法(○×)+多肢択一法 | 25問+25問=50問 |
| 3級 | 真偽法(○×) | 30問 |
- 合格基準:100点満点で、原則として学科試験は65点以上、実技試験は60点以上
- 学科試験の受検手数料:3,100円が目安(都道府県によって異なる場合があります)
- 実施時期:都道府県職業能力開発協会が実施します。時期は年度・等級・都道府県によって異なるため、受検案内で確認してください
過去の合格率
およそ54〜57%(令和4年度 54.1%、令和6年度 57.2%)
全級(1〜3級)を合わせた数値で、学科と実技の両方に合格した人の割合です(合格者数÷受検申請者数)。級別の数値は公表されていません。出典:厚生労働省「技能検定の実施状況」
受検資格や日程は等級・年度・都道府県によって変わります。受検する都道府県の職業能力開発協会で必ず確認してください。
機械検査技能士の学科試験の問題例
当サイトのオリジナル問題から、級ごとに1問ずつ紹介します。実際の試験も、このような○×問題と4択問題で出題されます。
モジュール2、歯数30の歯車のピッチ円直径は60mmである。
正解と解説を見る
正解:○(正しい)
正解。d=m×z=2×30=60mmです。
長さ200mmの鋼製品が、20℃から30℃になったときの伸びとして最も近いものはどれか。
- 約23μm
- 約2.3mm
- 約0.23mm
- 約2.3μm
正解と解説を見る
正解:イ 約23μm
200×11.5×10⁻⁶×10≒0.023mm=約23μmです。
上限規格10.30mm、下限規格9.70mm、平均10.10mm、標準偏差0.05mmの工程のCpkはどれか。
- 4.0
- 1.33
- 0.67
- 2.0
正解と解説を見る
正解:ロ 1.33
Cpk=(10.30-10.10)÷(3×0.05)=0.20÷0.15≒1.33です。
出題範囲(試験科目)
厚生労働省の試験基準では、学科試験は次の科目から出題されます。
| 科目 | 主な内容 |
|---|---|
| 測定法 | 計測用語(誤差・不確かさ・校正など)、測定機器の種類・構造・用途・保守、取付け具・補助具、精密測定の方法 |
| 検査法 | 測定機器の精度検査、部品の検査、工作機械の静的精度検査(1・2級)、非破壊検査(1・2級)、JISに定める検査の種類 |
| 品質管理 | 品質管理用語(ヒストグラム・管理図・抜取り検査など)、管理図の作成と読み方(1・2級) |
| 機械要素 | ねじ・歯車・キー・ピン・ばね・軸受・軸継手・ベルト・チェーンなどの種類と用途 |
| 機械工作法 | 工作機械の種類と用途、手仕上げ、加工精度の不良と原因、表面処理など |
| 材料 | 金属・非金属材料の種類と性質、熱処理、材料試験(硬さ・引張・衝撃など) |
| 材料力学 | 荷重・応力・ひずみ(1・2級) |
| 製図 | 図面の読み方、JISの製図通則、材料記号、はめあい、幾何公差、表面性状 |
| 電気 | 電気用語、電動機などの電気機械器具、電気的制御の基本回路 |
| 安全衛生 | 機械検査作業に伴う安全衛生、労働安全衛生法関係法令 |
試験基準では、同じ項目でも級によって求められる知識の程度が違います(例:品質管理用語は3級が「概略」、2級が「一般的」、1級が「詳細」。安全衛生は全級で「詳細な知識」)。当サイトの問題も、この程度に合わせて級ごとに分けています。
勉強のすすめ方
- 測定法を最優先に:出題の中心です。ノギス・マイクロメータ・ダイヤルゲージの読み方と使い方、誤差の種類は確実に押さえます。
- 計算は公式で確実に:熱膨張(鋼は約11.5×10⁻⁶/℃)、サインバー、歯車のモジュール、応力、工程能力指数などは、公式を覚えれば得点源になります。
- 品質管理は図の名前と使いみちをセットで:パレート図・特性要因図・ヒストグラム・管理図の違いがよく問われます。
- 製図はJISの記号を覚える:線の種類、寸法補助記号、幾何公差の記号、はめあいの考え方を整理します。
- 仕上げに公式の過去問を解く:技能検定試験問題公開サイトで、直近3年分の試験問題を閲覧できます。
よくある質問
独学で合格できる?
学科試験は、測定法を中心に問題演習をくり返せば、独学でも対策できます。実技試験は測定器を実際に使う技能が問われるため、職場や学校で測定器を扱う練習を重ねることが大切です。
合格率はどれくらい?
厚生労働省の公表データでは、全級合計で令和4年度が約54%、令和6年度が約57%です(合格者数÷受検申請者数)。級別の合格率は公表されていません。
受検資格はある?
1級・2級は、原則として一定年数の実務経験が必要です(学校で学んだ期間や、下の級の合格で短くなります)。3級は、実務経験の年数を問わない場合が多いです。条件は細かく決められているので、受検する都道府県の職業能力開発協会の受検案内で確認してください。
過去問はどこで見られる?
中央職業能力開発協会の技能検定試験問題公開サイトで、直近3年分の試験問題を閲覧できます(閲覧のみで、印刷・複製はできません)。当サイトの問題は過去問の転載ではなく、試験基準に沿ったオリジナル問題です。
合格すると名乗れる名前は?
合格した等級をつけて「1級機械検査技能士」のように名乗れます。技能士は合格者だけが名乗れる名称(名称独占)で、等級を省略して名乗ることはできません。